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Tomoko
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おうちで日本語101へようこそ!
米国で日本語教師をしているTomokoと申します。2013年からカリフォルニア州にある日本語学校で主に小学校低学年のお子さんに教えているほか、米国でAP Japaneseを目指す高校生のためのオンライン・チューターもしています。2021年には公益法人日本国際教育支援協会が実施する日本語教育能力検定に合格しました。

ご家族での駐在や国際結婚などで海外で育つお子様の日本語教育について、日本語学校やチューターで教えている知識と経験、また我が子を米国で日英バイリンガルに育てた経験を生かして様々な情報をお届けします。このサイトが皆さまのお役に立てれば幸いです。

AP Japaneseテスト対策…高校入学前から心がけておくといいこと

この記事は、将来アメリカの高校に通い、アメリカの大学進学を目指すであろうお子さんをお持ちのご家庭に向けた記事です。

お子さんがまだ小学生、あるいは中学生になったばかりですと、親御さんの方も『AP』とか『AP Japanese』などという言葉に馴染みがないかもしれません。でもこの先もアメリカに住み、アメリカの大学進学を目指すのであれば嫌でも耳に入るこの言葉。せっかく日本語ができる環境にあるのなら、何となくでもいいので普段からご家庭で心がけておくことで、いざテストを受けることになった時に準備が楽になるのではと思うことを記事にしました。

本文中の『AP Japaneseテスト』は全て『AP Japanese Exam』または『The AP Japanese Language and Culture Exam』の事を示します。

もくじ

APって、なに?

APとは、アメリカの高校のカリキュラムのひとつであり、The Advanced Placement Program®の略で、高校生が高校在学中に大学レベルの授業を受けることができるプログラムのことです。これを日本語学習に関してザックリとものすごく簡単に言うと、日本語を話したり読み書きしたりできることが高校の成績や大学進学に活かせるかもしれない、という制度なのです。APについての詳しい解説はぜひ下の関連記事をご参照ください。

さて、気になるAP Japaneseテストの難易度ですが、ご家庭で日常的に日本語で会話をしていたり、日本語補習校や日本語学校などで小学校3-4年生程度の読み書きを習得しているお子さんでしたら、それほど難しいレベルではありません。ですが、日本語が話せて漢字の読み書きができるだけでは十分とは言えないのがAP Japaneseテストの難しいところです。

それは、AP Japaneseテストの正式名称が『The AP Japanese Language and Culture Exam』であることからも分かるように、言語の習得そのものだけではなく日本の文化・習慣への理解も問われる試験だからです。そのためには、単に日本語が書ける、話せるだけではなく、普段から、それこそ幼少期から年齢に応じて日本の文化に触れておくことが一番の対策になります。

そこで、この記事ではAP Japaneseテスト対策に特化した目線での学習ポイントとして、普段からどんなことを心がけて学習すると良いかついて解説していきます。

また、日本語は何となくできるけど苦手意識がある、というお子さんでも、ポイントを押さえた準備をすることで安心して試験に臨むことができるでしょう。

漢字学習は書き取りよりも読みと意味を中心に

漢字が正しく書けるというのは、もちろん日本語教育ではとても大切なことです。しかし、海外で暮らすお子さんにとって漢字の学習を継続的に行うのは難しいことが多いのも現実です。

限られた日本語の学習時間の中で何を優先するかを考えた時、漢字学習についてはまず読めるようになる、意味がわかるようになる、というのが第一の目標になるかと思います。

漢字を「読める」ことと漢字のもつ「意味」を知っていること、また漢字の熟語についての知識は非常に大切です。漢字や熟語の意味を知らないと読解問題で文章の内容や質問の意図を読み違えたりするだけでなく、フリーレスポンスのテキスト・チャットでの会話で、画面に表示された相手からの質問の意味が分からなくて答えられない、などという事も起こります。

逆に、知らない言葉であっても漢字から熟語の意味を推測できると、読解問題などで分からない言葉があった時にはそれが理解の助けになります。

また、ライティングはコンピューターでのタイプ入力になりますので、漢字が正確に書けなくても全く問題ありません。ですが漢字変換した時に文脈に合った正しい漢字を選べるようになるためには、やはり意味や熟語を知っておくことがとても大切です。

日常的に日本語に触れていないお子さんの場合は、AP Japanese向けの漢字テキストなどを利用して、どんな時にどんな漢字(熟語)が使われるかに慣れておきましょう。

日本の文化・習慣に馴染んでおくのはとても大切

フリーレスポンスでのライティングやプレゼンテーションのテストでは、日本の文化や習慣などについてのトピックが出されます。ただ日本語が理解できる、上手く話せる、というだけでは答えられないような、日本の文化や習慣への理解度が問われる問題が中心となって出題されます。

文化や習慣を知るというのは、一朝一夕にはいきません。
お子さんには普段から日本の文化や習慣に触れる機会を与え、無理なく親しんでおくことが一番の対策になります。

お子さんが小さい頃からお正月、ひなまつり、こどもの日、七五三など、できる範囲でいいので日本の行事をご家庭内で取り入れていくのは、お子さんの楽しい思い出として心に残っていきます。幼い頃は分からなくても、年齢が上がるにつれあの時の行事にはこういう意味があったのかと理解することができますし、日本文化とはこういうもの、と自然と肌で感じていくことができるでしょう。また、日本への一時帰国や体験入学、本やテレビ、インターネットなどを通じて得た知識も、日本文化の理解に大いに役立ちます。最近では日本のゲームやアニメなども人気がありますので、そういったポップカルチャーを通じて日本のことを知るのも良いでしょう。

過去に出題されたトピックについては、AP Japaneseテストってどんなテスト?形式と攻略ポイントの記事でいくつかご紹介していますので、ぜひ参考になさってください。

ボキャブラリーを増やそう

漢字学習や日本の文化・習慣の知識から得られるボキャブラリーは多いですが、テスト対策として知ってぜひ知っておきたいものもあります。

例えば「初めまして」「よろしくお願いします」「どういたしまして」といった挨拶の言葉や、会話の試験で質問の答えを考える時に使える「そうですねえ…」などといった何気ない一言です。

他にも、「お腹がぺこぺこ」「雨がザーザーふる」など擬音に絡めた表現は物事の程度を表していることも多いため、知らないと正しい答えが選べない場合もあります。逆にこういった表現を会話やプレゼンテーションなどで適切に使えると、それは高評価に繋がる可能性が高いです。

こういったボキャブラリーを増やすためには、やはり普段から日本語での日常会話、本やテレビ、インターネットのコンテンツなどに触れて自然と身につけておくのがとても重要になります。

日本語タイピングに慣れておこう

AP Japaneseテストでは、テキストチャットやライティングの試験があるのですが、これらはすべて手書きではなく、コンピュータから日本語を打ち込むことになります。
テストでは制限時間もありますので、時間内に文章を考え、ひらがなを打ち込み、それを適切な漢字に変換させて文章を綴っていくという作業に慣れておくことはとても大切です。

現行の日本の教科書では、小学3年生の下巻に「コンピューターのローマ字入力」という項があります。また、ネット上には日本語タイピング練習のサイトもあり、ゲーム感覚で楽しめるものもありますので、ぜひ一度お子さんと一緒にやってみて下さい。

まとめ

  • 漢字学習は書き取りよりも読みと意味を知ることが重要
  • 分からない言葉は漢字の意味から推測
  • 日頃から日本の文化・習慣を意識して馴染んでおくのは大切
  • ボキャブラリーを増やす:テストで使う挨拶の決まり文句や擬音の表現になれておく
  • 日本語タイピングに慣れておく
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